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jabe

三和システム株式会社 CTO 阿部順一のブログ

業務の専門化により見失うもの

業務の専門性

色んな業務って効率化やコストダウンを考えると、どんどん専門職ができていくと思うんですね。 けど果たしてそれが利益につながっているのかというとそうでなかったりします。 利益とは売上からコストを引いたもの。 効率化やコストダウンのことばかり考えていると、それによって顧客満足度が下がり、売上が下がる、結果として利益が下がることになってしまいます。

一番分かりやすい開発を例にして話を進めます。

ウォーターフォール型の開発

今更こんな話かよって感じなので割愛します。

アジャイル型の開発

これも同様なので割愛!

横区切りと縦区切り

私はウォーターフォール型のようなものを横区切り、アジャイル型のようなものを縦区切りと呼んでいます。 (あまり格好よくないので気に入ってはいませんがw)

横区切りだと、確かに専門分野に集中はできるんですよね。 設計担当はコーディングできなくても良いし、開発担当は仕様通りに作るだけだし、テスターはそのプログラムが仕様通りに動くことを確認するだけ。 けどその結果何が生まれるかというと、自分の担当部分しか考えなくなります。 「仕様どおり」とかよくできた言葉ですよね。ユーザーからしたら仕様通りだろうとバグだろうと同じなのに。 本来のプロジェクトの目的を完全に見失い、また全てがただの「作業」になってしまいます。

私が以前リーダーをしていたプロジェクトでは、完全に縦区切りにしました。 メンバーは5-10名の間で増えたり減ったりしていましたが、サブシステムごとに1人ずつ担当者を決めました。 そのサブシステムでの機能拡張やバグ修正は全てそのメンバーが行います。

遊び感覚で色々な管理機能を搭載していたのですが、機能ごとの利用者数とアクセス数の推移を集計し、サブシステムごとにA/B/Cのランク付けをしていました。 メンバーの評価指標として、時間でもコーディング量でも品質でもなく、このランクが一番大きかったような気がします。

担当者はこのランクを上げるために、自分でユーザーのニーズを把握し、開発し、テストします。そして品質を優先すべきなのか、スピードを優先すべきなのかも自分自身で判断していました。 テストをそこまでしっかりしていなかったにも関わらず、不思議と品質が良かったのが印象に残っています。

求められるもの

これからはよりプロジェクトの本質を見極めたエンジニアが求められます。 プロジェクトの目的が何なのか、それを意識した業務(「作業」ではなく)が必要。

では何が目的なのかというと、スケジュールを守ることでも品質の良いものを作るものでもありません。

ユーザーが求めるものを実現することでもなく、それによって喜ばれることでもありません。

ユーザーに利益をもたらすことです。

三和システムの事業の一つとして、ゴルフ場に基幹システムやWeb予約システムなどをご提供させていただいております。 私たちが実現することは、ゴルフ場の集客やコスト削減に貢献することであり、経営に貢献することです。 さらにその先は、ゴルフ業界を活性化することをミッションとして考えています。

そのために必要なことは、エンジニアでも運用や営業のことを知る必要がありますし、またゴルフそのものを知り、そして楽しむことです。私はゴルフ事業に関わるメンバーにはどんどんゴルフに行くように言っています。それがゴルフ市場のためでもあり、自分への投資にもなるからです。

ほんと環境が良くなりましたよね

ここ数年のIT業界の成長は著しく、例えばAWSはその代表的なサービスであると言えるでしょう。 AWSにより、インフラエンジニアがいらなくなりました。誰でも簡単にサーバーを構築でき、サービスをすぐに提供することができます。 今後もどんどん色んなものがサービス化され、専門職がなくなっていくでしょうね。そしてエンジニアは色々なサービスを組み合わせることによって1人で何でも実現できるようになります。

こういった環境のおかげで、エンジニアは作業を減らすことができ、よりクリエイティブな仕事ができるようになることでしょう。

まとめ

冒頭で言いましたが、やはり会社の目的は利益を上げること。 例え良いシステムを作ったとしても、ユーザーに利益をもたらさなければ、顧客満足度なんて上がるはずがありません。 どんなシステムでも、ユーザーに利益をもたらすことができれば、その後のビジネスの成長につながることでしょう。 さらに、ユーザーのニーズまで開拓することができれば新たな市場ができ、イノベーションを起こすことができます。

よりよいサービスを提供するためには、「作業」を無くすことが必要。縦区切りにより、メンバー1人1人がユーザーとできるだけ距離を縮めること。エンジニアがプログラマーではなくクリエイターになること。

エンジニアがこれからもっとかっこよくてオシャレな職業になればなぁと思います。