jabe

三和システム株式会社 CTO 阿部順一のブログ

フリーエンジニア

現在三和システムには、数名のフリーエンジニア(個人事業主のエンジニア)がいます。なかには、一つのサービスの開発責任者をしている者もいて、皆さん活躍してもらっています。 そんなフリーエンジニアという職種について。

私の経歴

はい、三和システムのHPから引っ張ってきちゃいましょう。笑

1978年生まれ。2001年に、東京工業大学工学部経営システム工学科を卒業後、SIerにて業務アプリケーションやパッケージソフトの開発に従事。2004年に独立し、有限会社Y.I.T.C.を設立。パートナーの株式会社電通国際情報サービス内で、技術部隊を率いる。大規模プロジェクトのフレームワーク構築や、様々なプロジェクトのサポートなどに従事。2011年9月、三和システム株式会社入社、2012年4月執行役員プリンシパル技術最高責任者CTOに就任。

2004年に独立してからですが、1年間はフリーエンジニアとして働き、2005年に法人化。法人となってからも常にエンジニアとして現場にいたので、そういった意味ではフリーエンジニアと変わらない感じでした。

電通国際情報サービスさんで技術の特殊部隊のようなチームのリーダーとして、現在は三和システムCTOとして、もう10年近く採用活動を続け、書類選考から考えると数千人のエンジニアをみてきました。

そんなことから、エンジニアとして、フリーとして、採用側として、リーダーとして、経営者として、色々な立場でこれまで見てきて感じたことについて話します。

フリーエンジニアの良いところ

フリーエンジニアは良いエンジニアが多いです。そんなフリーエンジニアの良いところを紹介していきます。これらは、私が独立すると決めた理由にも繋がりますし、また、これらは私が面接する時に必ずヒアリングするポイントでもあります。

  • スキルがある、成長意欲がある
    スキルが無いとフリーで生きていけません。自分の持っているスキルや経験、または新しいスキルを身につけていく能力に自信があるためフリーになっている人たちです。仕事外での個人活動をしている人たちも多いです。
  • 事業のことを考えてモノ作りをする
    フリーになった人たちは何らかの目的があってフリーになっています。そんな中でも、将来起業したい、新規事業を立ち上げたい、などのような目的をもった人を私は採用しています。そうすると、システムを構築するにあたり、動くものができればいいという考えではなく、その事業がどういう目的を持っているか、今どのようなフェーズなのか、といったことをまず考えてくれます。
  • 仕事以外でも積極的
    お客様から離れてしまうとその時点で収入が無くなるわけですから、常に危機感を持っています。自分自身で営業も兼ねており、周りとのコミュニケーションや仕事以外での活動にも積極的です。先日のワークライフミックスに近い生き方をされている方たちは多いです。

他にもエンジニアがお客様を選べるとか、お互い単価にメリットがあるなど、良いところ盛りだくさんです。

偽装委任の問題

エンジニアとの契約には、色々種類がありますが、簡単に説明しておきましょう。長くなるので簡単に。詳しいこと知りたければググってください。

  • 請負契約
    納期と成果物が決定している契約。完成責任や瑕疵担保責任があります。
  • 準委任契約
    開発などの業務を委任する契約。完成責任や瑕疵担保責任はなく、契約期間における報告書で遂行したものとする。発注側に指揮権がない。
  • 派遣契約
    派遣元事業主から労働者を派遣してもらい、労働に従事してもらう契約。完成責任や瑕疵担保責任はなく、雇用に近い。発注側に指揮権がある。

客先常駐するエンジニアとの契約においては、準委任契約もしくは派遣契約となります。準委任契約と派遣契約との違いについて、2つのポイントがあります。

  • 労働者かどうか
    派遣契約には、特定と一般の2種類があり、…この辺の説明も面倒なので割愛します。 まず労働者派遣事業を行うにあたっては、厚生労働省への届出が必要であり、社会保険や労働保険などの条件があります。個人事業主でももちろん取得可能なのですが、大きな問題が一つ。労働者派遣事業の名前の通り、"労働者"の派遣の事業なのです。個人事業主は事業主であり、労働者ではありません。つまり、フリーエンジニアが自分自身を派遣することはできません。
    以上のことから、フリーエンジニアが客先常駐する場合は必然的に準委任契約となります。
  • 発注側に指揮権があるかどうか
    準委任契約の場合、委任なので、発注側に指揮権はありません。そのため、原則として現場において作業指示などを出すことができません。
    準委任契約であるにも関わらず作業指示が現場で行われている場合、実質上は派遣に該当する「偽装委任」であるとされ、行政から指導や勧告を受けます。
    こういった問題を避けるため、ここ10年で多くの企業が準委任契約を原則禁止としました。

労働者派遣法は本来雇用関係が無い派遣社員を保護するために作られたものです。しかし上記のように、全く現実に合っていない法律であると私は考えています。
フリーエンジニアの立場においては、準委任契約するしかないにも関わらず、現場で指揮関係が結べないため、働きづらい環境になっている。そのうえ、準委任契約できる企業がどんどん減っている。
発注者の立場においては、優秀なフリーエンジニアを活用できない。

このような問題に対して、ソフトウェア業界でも色々な動きはありますが、現状は悪化していると言って良いでしょう。

私が三和システムにジョインした理由

最後に、フリーエンジニアを応援する意味でも、私が三和システムにジョインした経緯をお話します。

当時、お客様から高い評価と信頼もいただけており、またチームのパフォーマンスも非常に高く、最新技術もどんどん取り入れられる、そんな仕事ができていました。不満が無いどころか充実していました。
しかし、そんな中でふと変化したいと思いました。充実している、成功している時に変化できないものは将来必ず負けるという考えがあったからです。
自分が10年エンジニアとして積み上げてきた経験をもとに、BtoCの事業をやりたい、世界に誇れるサービスを立ち上げたい、経営の力を発揮したい、など色々な思いがあり、決意しました。

私はフリーエンジニアの方たちを応援しています。日本のITを進化させていくための重要な存在だと思っていますし、これからもどんどん活躍していってほしい。それぞれの思いがあり、独立するという決断を下したと思いますが、自分自身の将来は目的意識と毎日の積み重ねによって決まります。意識を高く、これからも誇りをもってがんばってください。